離婚をしたいと考えているけれど、夫婦間での話し合いでは感情的になってしまい、なかなか離婚への合意がなされないのはよくあることです。

冷静な判断ができる第三者が間に入る調停離婚を考える方も多いかと思います。しっかり決めなければならない親権や養育費、慰謝料はどのように決めたら良いのかよくわからないけれど、弁護士に相談するのもハードルが高いし費用も高い…悩んでしまいますが、曖昧にできないものです。

協議離婚が難しそうならば、調停離婚という方法があります。第三者を交えて、離婚の合意へ向け話し合うと同時に、必要な決め事をして行きます。調停離婚はどうすればいいのか、わからないことが多いですよね。そんな時には専門家を頼りたいものです。

早速弁護士を訪ねるのが確実な方法なのかもしれませんが、どの弁護士を訪ねていいかもわかりませんし、費用の心配もあります。そんな時に活用したいのが「法テラス」です。「法テラス」の名前は聞いたことがあっても、実際にどんなところなのでしょうか。

【まずは法テラスを知ろう】

「法テラス」は、正式名称を「日本司法支援センター」といいます。

国が設立している準独立行政法人で、私たち一般の国民が法的なトラブルに巻き込まれてしまった場合の解決するための制度を利用する支援をするところです。

離婚問題のみならず、民事や刑事など、幅広い法的な問題の解決の支援をしてくれる機関です。

裁判はお金がある人がやることというイメージがあります。でも、法テラスでは経済的な理由で法的に問題解決ができない人のために、無料法律相談を行ったり、問題解決のために裁判をするためにかかる費用の訴訟費用や弁護士費用を立て替える制度があります。

立て替えてもらった費用は、利用者が無理のない金額を分割払いで法テラスに返済していくことになります。法テラスは、社会的弱者でも司法支援を受けられるところとなります。

【法テラスの利用方法】

まずは、法テラスで行なっている弁護士による無料法律相談の予約を申し込み、相談するところがまず第一歩です。

相談してみて、弁護士を利用した調停離婚をしたいとなれば、弁護士に法テラスの援助制度を利用してお願いしたい旨をその場で話しましょう。その時点で法テラスからの弁護士費用の建て替え援助の申し込みもすることになります。

申し込みに必要なものに、収入を証明しできる給与明細や源泉徴収票などの書類と、住民票などの必要書類を提出する必要があります。これは、資金の援助を受ける資格があるかの審査を受けるために必要となります。

・申し込み者の収入が一定額以下であること

・勝訴の見込みがないとはいえないこと

・民事法律扶助の趣旨に適しているか

以上のことを元に審査されます。

(一定額以下の収入の目安)

配偶者と二人家族であれば、276,000円以下

配偶者を含め4人家族であれば、328,900円以下

※以上は首都圏や大阪などの都市の場合の金額です。地方都市ではもう少し金額が下がります。

【無料相談に準備しておいたほうがいいもの】

調停離婚で離婚をしたいけれどどうしたらいいのかわからないことを、具体的に何がわからないのかを整理していくといいでしょう。

それにより弁護士が今後どうしたらいいのかをアドバイスしてくれます。

また、最低限の離婚についての知識は勉強しておいたほうがいいでしょう。加えて、常に印鑑は携帯しておいたほうがいいかもしれません。

【審査に通った後の流れ】

法テラスの援助が決定した場合、法テラスから援助開始決定の通知が届きます。

担当弁護士も法テラスの方で指定してきますが、無料法律相談の時に担当した弁護士が担当弁護士に指定されるのが一般的です。

援助開始の通知が届いたら、弁護士と打ち合わせをし、具体的な調停への準備を進めていくことができます。

【立て替え決定とともに返済計画も決める】

そこで法テラスは着手金や弁護士費用を弁護士に立て替えて支払いを始めます。

それと同時に、利用者も法テラスに毎月決まった日に立て替えてもらった費用を分割で返済していくことになります。

利用者の希望を聞いた上で無理のない返済をしていくことが可能です。生活保護を受けている人には返済猶予もあります。

【離婚調停へ】

調停離婚を弁護士に依頼すれば、家庭裁判所への調停の申し立て手続きを全て代行してくれます。

どのような形での離婚を望むのかをあらかじめ弁護士と利用者で話し合っているので、その点も踏まえた調停申立書も弁護士が作成してくれます。

利用者はほとんど何もしなくてもいいと言えます。調停期日にも同行してくれて、調停委員に対して利用者を擁護してくれることが多く、強い味方になリます。

難しい書類手続きから日程調整、裁判所とのやりとりなどは全て弁護士が行ってくれるので、利用者にとっては手間が省けて精神的にも楽になりますよね。また、法的にわからないところは教えてくれます。

「わからない」は不安につながりますが、弁護士がついているという安心感が、利用者の心を助けるに違いありません。

【法テラスを利用した時の費用と支払い方法】

法テラスを利用して調停離婚をした場合、かかる費用すべてを法テラスが立て替えています。実際に何にお金がかかっているのかというと・・・

<弁護士費用>

調停離婚で弁護士を依頼する場合にかかる費目は以下のようなものがあります。

弁護士費用は、弁護士独自の裁量で自由に設定できる費用のため、法テラスを利用しない場合の費用は弁護士事務所によって大きく幅があります。

着手金

弁護士に依頼をした段階で発生する費用です。

一般的には、23万~33万円が相場です。

法テラスの場合、104,000円~146,000円です。

報酬金(成功報酬金)

離婚が成立したことでの成功報酬は、成功度合いによっても金額は変わります。

一般的には基本報酬として32万~53万程かかります。

法テラスの場合、84,000円です。

経済的利益があった場合

財産分与で相手から慰謝料などが得られた場合に報酬として弁護士に払う費用です。

一般的には300万円以下の場合で16%等、金額により変動します。

法テラスの場合、3000万円以下の場合は一律10%です。

日当

弁護士が利用者の案件のために半日以上の時間を費やした場合にかかる費用です。

1日あたり、1万円~2万円くらいが相場と言われていますが、弁護士によって異なります。

その他実費

日当とは別に、利用者が依頼した案件(事件)を解決するために発生した出費全てを指します。

郵便代や印紙代、交通費などがあります。こちらは弁護士によっては他の費目に含んでいる場合があります。

<費用の返済方法>

原則、銀行などの口座引き落としとなりますが、慰謝料などをもらうことになった場合はそちらから支払いをすることになります。

返済の開始は、法テラスを利用すると決めて手続きをした日(契約した日)から2ヶ月後からとなります。

原則、調停が終わってから3年以内に支払いが終わるように分割払いで返済をして行きますが、無理のない金額での返済になるので安心です。

【まとめ】

大げさかもしれませんが、法テラスを知っていると知らないとでは、人生で大きな差がつくのではないでしょうか。

困りごとを困ったままにしておくより、スッキリと解決させるのでは、どれほど人生のクオリティに差が出るでしょうか。

今回は離婚問題で法テラスを利用するということをテーマにしました。

敷居の高い印象の裁判所や弁護士を利用しての解決ですが、その敷居の高さの印象を少しでも低くし、困っている人を救済するために法テラスがあります。

離婚は並々ならぬストレスと疲れなどを伴うものです。法テラスで離婚の相談をして見るのは自分を救うために必要なことかもしれません。